病気の概要
強皮症には、限局性強皮症と全身性強皮症があります。 前者の場合は、主な症状が皮膚のみに限局しており、内臓に波及するおそれはありません。 これに対し、全身性強皮症は皮膚のみにとどまらず、内臓の線維化を引き起こします。
病気に伴うリスクが大きく異なりますので、両者は全く別のものと考えて頂きたいと思います。 当院では、膠原病の1つである全身性強皮症も診療いたしますので、お気軽にご受診ください。
よく見られる症状
- 気温が低いときに、手足の指先が白っぽくなる
- 指先が腫れてきた
- 手が強張っている
- 普段から嵌めていた指輪が入らなくなった
- 手の甲などの皮膚が硬くなっている
- 手に潰瘍が出来た
- 皮膚が黒っぽくなってきた
- 手指を上手く動かせない など
治療法
強皮症には幾つかのタイプがありますが、例えばびまん型全身性強皮症は発症から徐々に皮膚の硬化が進行し、5~6年以内に内臓病変が出現します。 この頃から皮膚の症状は治まっていくのですが、内臓の線維化は戻りませんので、間質性肺疾患などを併発しやすくなります。
そのため、出来るだけ病状が進行しない段階で治療を開始することが大切となるのです。 皮膚硬化を進行させないためにステロイド薬を内服したり、間質性肺炎を予防するシクロホスファミドを投与したりします。 逆流性食道炎や血管病変、肺高血圧症などを防ぐためのお薬を使用することもあります。
日常生活の注意点
強皮症の進行を出来る限り抑えるため、日常生活を見直すことが大切です。 まず、タバコは血流を悪化させたり、肺に悪影響を及ぼしますので、すぐにでも禁煙して下さい。
また、疲労が蓄積したり、睡眠が不足したりすると、皮膚症状が悪化するおそれがありますので、規則正しい生活を心がけて下さい。 手足などを冷やすのも良くないので、気温が低いときは手袋やマフラーなどで防寒することも重要です。