病気の概要
シェーグレン症候群は、全身の外分泌腺が破壊されてしまい、慢性的な炎症に悩まされる病気です。 スウェーデンの眼科医「シェーグレン博士」の発表論文に基づいて命名された事からも推察できますが、眼が乾燥しやすくなり、ちょっとした光などでも眩しさや痛みを感じるようになります。
但し、症状は眼だけにとどまりません。 口腔内の乾燥、皮疹、紫斑、関節の痛み、耳下腺や唾液腺の腫脹など、全身の様々な部位に変化が生じたときは、専門医のもとで詳しい検査を受けると良いでしょう。
よく見られる症状
- 目が乾きやすくなった(ドライアイ)
- ちょっとした光を直視しただけで目が痛くなる
- 目が痒い
- 口の中が乾燥しやすい
- 食べ物の味がよく分からなくなった
- 虫歯や歯周病が増えた
- 耳たぶの下付近が腫れている
- 皮膚が乾燥しやすくなった
- リンパ節が腫れている など
治療法
シェーグレン症候群の治療にあたっては、お薬を適切に用いて症状を抑え、必要に応じて手術・処置なども検討します。 例えば、ドライアイで悩まされている患者様ならば、涙の分泌を促進する薬、涙を補充する点眼薬、涙の蒸発を防ぐための工夫、涙の排出を抑えるための手術や点眼プラグなどの治療を取り入れます。
口腔乾燥に対しても、唾液の分泌を促進するお薬などを処方いたします。 肺などに活動性の病変が見られるケースでは、ステロイド薬や免疫抑制薬を使用することもあります。
日常生活の注意点
シェーグレン症候群の患者様は、乾燥症状に気を付けることが大切です。 特に空気が乾燥しやすい冬場は、加湿器などを上手に使って保湿して下さい。 なお、頻回に水を飲むと体調を損なうおそれがあるので、人工唾液などを使用すると良いでしょう。 皮膚が荒れている方は、こまめにハンドクリームなどを塗り込んで下さい。