病気の概要
多発性筋炎になると、自己免疫の異常によって筋肉が炎症を来たしてしまい、思い通りに体輪を動かせなくなります。 進行すると、ちょっとした運動でも疲れやすくなり、階段で1階から2階に上がるだけでも苦労するようになります。 なお、筋肉の痛みや違和感だけでなく、特徴的な皮膚症状も出現するタイプを皮膚筋炎と呼びます。
手指の関節背側が盛り上がってくるタイプの紅斑、肘関節などの外側がカサカサしてくるタイプの紅斑、まぶたが腫れぼったくなる紅斑などが代表的です。 この二つの病気の関係性については学会でも幅広い見方がありますが、一般的には同じグループの病気として捉えられています。
よく見られる症状
- 筋肉を思い通りに動かすことが出来ない
- 少し動いただけでも疲れてしまう
- 重い荷物が持ち上がらなくなった
- 食欲がなくなった
- 手指の関節部が変色して盛り上がってきた
- まぶたが腫れぼったく見える
- 関節部に痛みがある
- 食べ物が飲み込みづらくなった など
治療法
多発性筋炎/皮膚筋炎の治療に際しては、ステロイドなどのお薬によって症状を抑えます。 具体的な治療薬は患者さまによって細かく変えていかなくてはいけないので、治療経験の豊富な専門医が対応いたします。
なお、筋肉や皮膚などの症状が強く出現しているときは、お薬を服用して安静に過ごすのですが、症状が治まっている時期にはリハビリも取り入れます。 負荷を強くし過ぎず、かと言って弱すぎても効果が得られませんので、医師の判断で適切なプログラムを患者様ごとに用意いたします。
日常生活の注意点
筋肉に過度の負荷をかけ過ぎないよう、安静にすることも大事なのですが、他方において、運動療法なども取り入れ、骨や筋肉を適度に刺激することも大切となります。 具体的なプログラムは、患者様ごとに担当医がご提示するので、これをもとに日常生活を過ごすようにして下さい。
また、間質性肺炎や悪性腫瘍を合併するケースもありますので、定期的に人間ドックなどを受診することも大切です。咽頭や喉頭などの筋肉が衰えている患者様は、誤嚥性肺炎を引き起こしやすいので、こうした点にも注意しましょう。